コハタのコトバ

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コハタのコトバ

木幡真人の『コハタのコトバ』

「160キロ投げれるのに、130キロしか投げないのは相手をバカにしてますよ。」と言われて気がついた僕の弱さ

『160キロ投げれるのに、130キロしか投げないのは相手をバカにしてますよ。』

 

彼がいった言葉に僕は鋭さと嬉しさを感じた。

 

Salad

 

ミーティング終わり。ファミレスに僕たちはいた。

 

ミーティングのときに僕が「山本って上から目線だよね。いつも自分がいいところをとっていく。」と不機嫌に発した言葉から、話題はメンバーどうしのコミュニケーションや僕が何を考えているのか、話を聞いてほしいのか、深堀りしてほしいのかという話になった。

 

そのときに、僕が「山本は僕が何か喋っても返してくれるけど、みんなは返してくれないじゃん。」とブツブツ…

 

そのとき相談に乗ってくれただいこんは「僕が何を言っても、結局は木幡さんと山本さんの間で決まってしまう。だから、僕が言うのは違う気がするんですよ。」と。

 

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「なんかそれ違くない?」「うーん、そうなんですかねぇ…」と会話は続いた。

 

どこからだったか忘れちゃったけど、僕が語り始めた気がする。

 

『僕、あれなんですよ。話していて、この人は全力で球を投げれるって思う人と、この人は全力で投げていいのかなって躊躇しちゃう相手がいるんですよ。』

 

『この2年間、山本っていう相方ができてから、アイツといるときは全力で投げれる。160キロを投げれる。でも、それ以外の人って真面目な話をしたらこの人にどう思われるんだろうとか考えちゃうんですよ。だから、中途半端になーなーになっちゃう。』と悩みを打ち明ける。

 

たしかに、この2年間僕はそうだった。山本といるときは本気で話せる。でも、ひとりではどうにもならなくて。なんとか、頑張りたいけど怖くて。

 

だいこんから『どうして、投げれないんですか。山本さんと会う前は160キロ投げてたんですか。』と問われた。

 

完全なトラウマだ。高校3年生から大学1年の夏にかけて、僕は突っ走っていたと思う。良くも悪くも、目の前しか見えていなかった。そのときに、いろんな人を傷つけたこともあったし、調子に乗って天狗になったこともあったし、とれるもんならとってみろという調子で速球を投げて挑発したこともあった。

 

だから、それが嫌われる、ひとを遠ざけてしまうと気づいてからは僕が160キロを投げるのはとても怖いコトだった。

 

相手がとれないんだったら、130キロに抑えておこうって思って、結局どんな特徴もないスローボールを投げてきた。相手のことが信じれなかった。自分のことも信じれなかった。

 

Ground One

 

 

そんなときにだいこんが言ってくれた。『160キロを投げれるのに、130キロしか投げないのは相手をバカにしてますよ。』って。

 

『負けて悔しいのは、ピッチャーよりも160キロを取れないことで負けるキャッチャーですよ。』

 

『自分の本気の言葉を相手に投げていって、離れていったらきっとそれはそこまでの関係だそうし、本気の球を投げれば僕たちだって取れるように頑張りますよ。だから、木幡さんの本気の球を投げてください。』

 

その言葉は鋭かった。

 

本当にその通りだ。僕は、相手に優しくなろうとしてたんじゃなくて、自分が嫌われないために、怖がられないために予防線を張っていただけだったんだ。信じようとしない、僕の弱さだ。

 

だいこんはこうも続けてくれた。『今は160キロ投げたらどうなりますか。』

 

きっと、調子に乗ることも挑発することもたまにあるかもしれない。でも、この2年間でいろんなことを学んで、荒れ球ではなくて、キャッチャーミット目がけて気持ちよく吸い込まれていく球に近づけられるんじゃないかと思う。

 

『いま、とって見れるもんならとってみろ。って気持ちじゃないなら、キミはミットをそこに構えて。僕は絶対そこに投げるから。ってやればいいじゃないですか。』って言ってくれた。

 

本当にそうだ。

 

本当に必要なことは、自分が50%のチカラにして中途半端になることじゃなくて、最高のチームになることだ。

 

そのためには、相手を信じて自分の最高の1球を投げるところから始まる。

相手のために応えようって努力することだ。

 

そういうところから、信頼は生まれるんじゃないかなってこないだ自分でも言ってた。

 

kohatanokotoba.hatenablog.com

 

帰り道、僕はひとりで考えていた。

 

結局、昔から僕はどうしようって意識をすると、逆にうまくいかない。野球も遊びくらいだけど、ピッチャーをやるといつもそうだ。

 

キャッチャーミット目がけて、無駄な考えは消えろって思って全力で投げると意外といい球が投げれたりする。

 

話すときもそうだった。相手の目をじっとみて、相手の言ってることに神経を集中させると何を話そうとしなくても、自然と言葉が出てきたりする。そういうときの会話は本当にいいコトだったりする。

 

周りの雑音を消して、自分の先にあるものに集中する。

 

それが一番大切なことなんだって気づくことができた。

 

相手を信じて、大丈夫とってくれるよって、そこに投げるよって自分の最高のボールを投げ込んでいこうと決心した夜でした。